「表現するよろこびをはぐくむ」ために
1946年の創業以来、当社は「表現するよろこびをはぐくむ」という想いのもと、筆記具・描画材を開発し世界中の⼈々に提供してまいりました。
筆記具は⼈の感性を受け⽌め、それを⽂字や絵、⾊などに表現することで、知性を活性化させます。知の⽬覚めの橋渡し役を担い、⼈の知性を⽂化にまで引き上げる役割を⼈類の歴史のなかで担ってきました。
デジタル化が加速する世の中にあっても筆記具の持つ役割は変わることはありません。いやむしろ、これまで以上にその役割は⼤切なものになってきています。
デジタル化の加速により、知的労働の多くはAIにより単純化され、⾁体的労働の多くはIoTやロボティクスにより軽減化されていきます。デジタル化は労働という概念を⼀変させつつあります。⼈々は⾯倒で、つらい労働から解放されていくなかで、良くも悪くもより創造的な仕事や創造的な⽣き⽅を探求していくことになります。
デジタルの世界にはフィジカルは存在しません。0と1による信号の流れが存在するだけです。メタバースの世界であろうともそこはあくまでも仮想現実であり、フィジカルな実態は存在しません。それに対して、⼈は確実に存在し、⽣命として呼吸し、代謝し、思考し、恋をし、⽣殖し、組織し、伝承し、そして死にます。
フィジカルな存在としての⼈の創造性や想像⼒を培うためにはフィジカルな体験を積み重ねることが不可⽋です。筆記具や描画材で書くこと描くことは、まさにフィジカルな体験そのものです。表現するというのは頭脳や⼿を使うばかりではなく、全⾝の五感をまさに総動員して⾏うアグレッシブな⾏為です。その体験が創造性・想像⼒を活性化させ、その⼒を豊かに育みます。個⼈のフィジカルに準拠するからこそ、その⼒、能⼒はコピーできない、置換えの効かない絶対的な個性として育まれます。
フィジカルな体験、書くこと描くことを通して、ぺんてるは世界の⼈々の表現するよろこびを育み、ともに⽣きるよろこびを分かち合っていきます。それこそが、持続可能な社会の実現に確かに繋がると信じています。
取締役会長