当社では、誠実で健全な企業経営に努め、ステークホルダーの皆様への責任を果たすため、2015年5月に「内部統制システム構築の基本方針」を導入し、コーポレート・ガバナンスの基礎といたしました。
その後、同方針は、内部統制システムの整備運用を定めた「内部統制規定」の制定に伴い、2017年3月に改訂が行われました。
リスク管理委員会の上部組織として、社長、取締役、監査役及び経営戦略室長で構成する内部統制委員会を内部統制の統括機関とし新たに設置しています。
取締役の業務の執行では、取締役会を最高意思決定機関として、定時および臨時に会議を開催し、グループ全体の経営に係る重要事項を審議、決定するとともに、毎週1回程度の経営会議を行い情報伝達の効率化を図り、各取締役が相互に情報共有し、監督する体制を構築しています。
監査体制では社外監査役2名を含む3名で監査役会を構成し、会計監査人や監査室と連携して、業務上の不備や問題点の早期発見と是正、業務の改善に向けたアドバイスや勧告を行っています。
グローバルな事業展開を行う企業として、コンプライアンスは、最も重要な課題の一つととらえています。単なる法令遵守に留まらず、企業倫理や道徳、社内ルール、国や地域の法令や規制の厳守はもとより、正しい行動を実践するためのものと位置づけ、グループ全体での推進を図っています。また、2015年に策定した「ぺんてるグループ行動規範」を日本だけでなく、全世界の関係会社に配布し、周知徹底を図っています。
当社は原材料、部品、仕入製品などの購入について、市場の動向を敏感にとらえながら適正な価格で公正な取引を行うことを基本姿勢としています。海外との取引では、全世界より良質の物をタイムリーに調達するために、サプライヤー様の製造現場まで足を運んでいます。また近年、環境問題に対する規制も厳しくなっており、規制に適した購入先を選定し、お客様に満足いただける製品づくりの下支えとして、今後も公正かつ公平な関係を維持しながら努力を重ねていきます。
企業経営に重大な影響を及ぼすさまざまなリスクに対し、定期的に社内のリスク情報を収集し、未然防止に努めるとともに、万一発生した場合、被害の最少化と迅速な復旧対応を図ることを経営の重要課題と考え、国内においては、社長を本部長とした危機対策チームが編成されています。また、海外関係会社からは、随時リスク情報を収集し、その都度対応を関連部署で協議し指導・連絡を行い、リスクの早期発見と対応も行っています。
当社の知的財産は、商品開発本部知財管理部が一元的に管理するとともに、研究・開発・製品の各テーマと連動した知財戦略を立案し、遂行しています。特許出願については、研究・開発の成果に応じた出願を実施するとともに、周辺保護の出願も行うことで類似製品の出現の阻止を図っています。また、他人の知的財産を尊重するという意図のもと、研究・開発の各ステップにおける他社権利の調査を行っています。ブランドを保護する商標は、世界100ヶ国以上で出願、並びに権利化しています。模倣品に対しては、研究部門をはじめ、営業部門や海外のグループ会社とも連携し、毅然とした姿勢で製品 の保護と権利の保護を図っています。
全社を挙げてBCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)に取り組み、万一の際のリスクを想定し改善を進めています。
厚生労働省や経済産業省のガイドラインを参考に「新型インフルエンザ行動基準」や「新型コロナウイルス対策」を策定し、感染症大流行時における安全確保を最優先とした事業運営体制や、海外出向社員への感染予防の措置などを取り決めました。
国内3工場においては、危機となる状態を未然に防ぎ、緊急時の必要な対応・手順を示した危機管理マニュアルを作成し、万一の事態に備えています。
大地震などの大規模災害に対応した備蓄の確保や緊急連絡網の整備、年に一度安否確認システムを使った実施訓練を全社一斉で行うなど、災害に対する対応も行っています。
情報セキュリティの世界では常に新たな脅威が生まれており、円滑に仕事を続けるためには、常に最新の情報セキュリティ対策を講じる必要があります。情報システム部では、コンピュータ安全規定を設定し、情報資産を過失、事故、災害、犯罪などから守る継続的な活動を行うとともに、従業員へ向けたセキュリティ対策教育や、コンピュータシステム災害対策として、バックアップデータ遠隔地定期保管の実施や、データの復旧作業の訓練を年に数回行っています。