事業活動による直接的・間接的な生物多様性への影響を認識し、工場からの排水が生態系に影響を与えていないかどうかを常に把握し、評価しています。
茨城工場では、1964年の稼働開始以来、工場排水が流入する霞ヶ浦の水環境保全のための工場排水浄化に取り組み、浄化した工場排水による魚類の飼育を続けてきました。2008年、水環境保全の進化を目指して排水浄化設備を更新し、工場内に設置したビオトープにてホタルの育成に取り組みました。2009年からは毎年羽化し、初夏の夜空を舞っています。茨城工場の排水が清流に棲むホタルが生息できるまで浄化されたことを証明しています。
ホタルの育成に引き続き、工場排水の最終放流槽のコケ付着を防止するため、2011年よりアユの飼育にも取り組んでいます。毎年5月上旬頃に稚魚を最終放流槽に放し、8月頃には20cmを超える大きさにまで成長します。
アユが生息できる水質の目安としてBOD※ 平均値が3mg/L 以下という指標がありますが、工場排水は清流と呼べるレベルであることが十分証明できました。また、成長したアユは納涼祭で塩焼きにし、地域の方々に美味しく召し上がっていただいています。
※ :BOD
Biochemical Oxygen Demand(生物化学的酸素要求量)は、微生物が水中の有機物を酸化分解するときに必要な酸素の量で、主に河川の汚濁指標として使用されます。